ベーコンは部位でいうと「バラ」で、この部位は脂が多いことを皆さんご存じのはず。当然、加工してベーコンに仕上げても脂肪分の多さは変わりません。ジャンボン・メゾン一番人気のベーコン。そして、同じ部位からできる一番「きらわれる」ベーコンがあります。今までは産業廃棄物として、人知れず捨てられていた脂肪の多いベーコンですが、この事を皆さんに知ってもらおうと「きらわれベーコン」と名付け販売することにしました。
今まで、売り場に置いては売れ残り、ギフトに出せばクレームの対象になってしまう「脂身の多いベーコン」その名の通り「嫌われ者」でした。ベーコンは部位で言うと「バラ」という箇所で、脂を楽しむのが本来です。しかし、脂肪が多い見た目は、それだけで嫌われてしまい、美味しさや作り手の手間暇かけた時間はイメージの対象外のようでした。クレームが来るたびに私たちは豚の生産者の顔が浮かび、作り手としてどうにかして「美味しさ」を伝えないといけない。このままでは産業廃棄物として捨てる運命になってしまう。そして始まったのが「きらわれベーコンプロジェクト」でした。
シャルキュトリーとは、豚の加工品を指す言葉です。当然、豚がもっとも重要な原材料になります。シャルキュトリーに適した豚は、繊維質が発達して赤みがしっかりしており、良質な脂肪を蓄えているもの。豚肉の締まりは、脂肪の質と関係していて、良質な脂肪が備わっていないとハムは美味しく出来ません。なぜなら脂肪が良質でないと、保水性が保てないからです。私たちは豚肉の生産者さんに敬意を払って仕入れをしています。全てを余すことなく加工して美味しくすることが本望。余る、ましてや捨てるなんて考えられない事です。「きらわれベーコン」は、「脂肪が多い」という理由で嫌われていました。想像してみてください。脂肪が多いだけで捨てられる様を。きらわれベーコンはもう、嫌われたくないのです。
月に一回開催されている量り売りマルシェ。ここでは「きらわれベーコン」が完全予約制で購入することが出来ます。ぜひマルシェで食品ロス購入や容器持参のスタイルを体験してみてください。
→量り売りマルシェのサイトへジャンボン・メゾンのハムは、店でハムカツを提供したいと思い、県内のハムを試食していた時に出会いました。ジャンボン・メゾンのハムは、どこのハムと比べても、似ても似つかない味でした。水分保湿がしっかり保たれ、塩分も丁度良く、何よりもハム特有の添加物の味がしなかったこと。それがジャンボン・メゾンのハムでした。高崎社長から脂身の多いベーコンが売れず、捨てるしかない状態。どうにか美味しく調理をしてもらえないか、と相談を受けたことがきっかけで、このプロジェクトが発足。名前を「きらわれベーコン」と命名し、店のカルボナーラやピザに使わせていただきました。お客様に、なぜ嫌われているかを説明し、アンケートにも答えていただきました。そのアンケートから「食品ロス」に関心がある方がほとんどであるということを知りました。その時思ったのは、ロスであることを隠すのではなく、まず知ってもらうことが大事だという事。食べるきっかけを料理人が提供し、見た目だけで「食べず嫌い」になる機会を、きちんと食べて美味しさを伝える機会に変えていくことが大事だと感じました。ひとつ付け加えるなら、この脂身の美味しさは、ジャンボン・メゾンのベーコンだからということを伝えておきたい。このベーコンが宮城で作られていることこそ、奇跡に近いと感じます。